バルカ料理はモンゴル料理?ドラマVIVANTから食文化、さらにヴィーガン・二階堂ふみさんのロケでの苦労について考えてみましょう。
TBS日曜劇場「VIVANT(ヴィヴァン)」第1話。1時間過ぎた頃にこんなシーンがあります。警察犬を避けて民家に逃げ込んだ大手商社マン・乃木憂助(堺雅人)、公安刑事・野崎守(阿部寛)、医師・柚木薫(二階堂ふみ)の会話です。
阿部 寛 「香辛料、さがせ!」
二階堂ふみ「コショウとか?」
阿部 寛 「なんでもいい! 匂いのきついやつだ! 犬の嗅覚を狂わせる」
堺 雅人 「あの…バルカ料理は香辛料を使いません。だから、さがしても…ないと思います」
つまり、このVIVANTの海外の舞台はスパイスを使わない中央アジアの国という設定です
VIVANT第1話はバルカ共和国という架空の国家が主な舞台ですが、この食文化の設定にはモデルとなった料理はあるのでしょうか。
香辛料の控えめな使用
バルカ共和国の文化体系にはモンゴル文化の影響が色濃く見られます。
食文化の設定もこの例に洩れません。モンゴル料理では一般的に香辛料はあまり使用されません。モンゴル料理はその豊かな風味や調理方法によって特徴づけられており、香り豊かなハーブやスパイスよりも、肉や乳製品の自然な味を引き立てることに焦点が当てられています。
素材の味を大切にするのね…
ただし、まったくスパイスを使わないわけではありません。一部の料理ではごくわずかな量の香辛料が使用されることもあります。たとえば、一部のスープやシチューには黒コショウや唐辛子などが使用されることがあります。(でも、一般的な食材としての主役にはなりません)
モンゴル料理の特徴的な味付けは、主に塩やにんにく、タマネギ、ハーブ、醤油、そして乳製品の自然な風味に頼っています。
もちろん、個々の料理やレストランによって異なる場合もありますので、個別の料理やレシピによっては少量の香辛料が使用されることもあります。しかし、全般的にはモンゴル料理は自然な風味と食材の素晴らしさに焦点を当てています。
肉料理の豊富さと食べ応え
モンゴル料理は、モンゴル国の伝統的な食文化を反映しており、その特徴は豊かな肉料理と乳製品の使用にあります。モンゴルの広大な大地で放牧される牛、羊、馬などの動物の肉が主要な材料として使用されます。
遊牧された牛、羊、馬って…なんか健康的で美味しそう
豊富な肉料理: モンゴル料理では、牛肉、羊肉、馬肉などがよく使用されます。ボルス、フワシャル、ハリン・ザアンなど、様々な方法で調理された料理があります。これらの料理はしっかりとした食べ応えがあり、寒い冬の気候に適しています。簡単に説明します。
ボルスはモンゴル料理で人気のある肉料理です。牛肉や羊肉を細かく切り、香ばしく焼き、野菜や香草と一緒に炒めます。濃い味付けやソースは使わず、肉の旨味を引き立てるシンプルな料理です。
フワシャルはモンゴルの伝統的な肉料理で馬肉を使います。馬の内臓や内臓を煮込み、香辛料や調味料と共に煮込んで作られます。スパイシーでコクのある味わいが特徴で、食べ応えのある料理です。
ハリン・ザアンはモンゴル料理の中でも有名なシチューです。羊肉を使用し、野菜や香草と共に煮込んで作られます。豊かな風味とコクのあるスープが特徴で、寒い冬にぴったりの温かい料理です。
なんか、おなかが減ってきた…
これらの料理はモンゴル料理の代表的なものであり、モンゴルの風味豊かな料理文化を体験する上で重要な役割を果たしています。それぞれの料理は独特の特徴と味わいを持ち、モンゴル料理の多様性と魅力を示しています。
乳製品の重要性とバリエーション
乳製品の活用: モンゴル料理では、モルト、アイラグ、タラーギなどの乳製品が頻繁に使用されます。
モルトはモンゴルの伝統的な乳製品であり、馬乳を発酵させて作られます。モンゴルの遊牧民の生活で重要な役割を果たしており、酸味とコクのある味わいが特徴です。液体の形で飲むほか、ヨーグルトや他の料理にも使用されます。
馬や羊のミルクを使うんですね
アイラグはモンゴルの伝統的な羊乳で、乳製品の一種です。羊乳を発酵させ、独特の酸味とクリーミーな口当たりを持っています。モンゴルの家庭では、アイラグは独立した飲み物として楽しまれるほか、料理の材料やソースとしても幅広く使用されます。
タラーギは羊の乳製品で、乳を凝固させて作られます。チーズの一種であり、塩漬けや乾燥させたものもあります。塩味がありながらもクリーミーで濃厚な味わいが特徴で、モンゴル料理やパンと一緒に食べられるほか、スープやパスタにも使われることがあります。
でも、知らないことばが多いなぁ…
これらの乳製品はモンゴルの伝統的な食文化に根付いており、乳製品を活用したさまざまな料理や飲み物が存在します。モンゴルの遊牧民の生活様式や自然環境が育んだ乳製品の特徴的な風味を楽しむことができます。
麦や大麦の活用と主食としての役割
麦や大麦を使用した食品: モンゴルでは、麦や大麦が一般的な穀物として栽培されています。これらの穀物は、麦粥やパンのような料理に使用され、主食として重要な役割を果たしています。
日本では、はったい粉が主に大麦ですね。はったい粉は、乾煎りした大麦やハダカムギを挽いて作られる粉のことです。ほのかな甘みと大麦特有の香ばしい風味があります。
モンゴル人の農耕においても、キビと大麦が重要な作物とされています。モンゴル料理では、大麦を使った料理がいくつかあります。
モンゴルの麦は主に大麦です
暖かいスープ料理の人気
モンゴル料理には、さまざまな種類のスープもあります。代表的なスープには、モルスー、ゴギ、ノーグなどがあります。
モルスーはモンゴルの伝統的なスープで、牛肉や羊肉、野菜、香草などが煮込まれます。シンプルでありながら、濃厚な旨味と風味が特徴で、寒い冬に温まるための人気のある料理です。
ゴギはモンゴル料理の代表的な羊肉のスープです。羊肉を煮込み、野菜や香草と組み合わせて調理されます。豊かな風味と肉の旨味が詰まった温かいスープであり、モンゴルの伝統的な味わいを楽しむことができます。
ノーグはモンゴル料理で牛肉を使用したスープです。牛肉を柔らかく煮込み、野菜や香草と共に調理されます。豊かなスープベースと肉の風味が絶妙に絡み合い、ボリュームのある満足感のある料理です。
このあたりの料理名も知らないのが多いですね
どんな味なんだろう?
これらの料理はモンゴル料理の中でも一般的で人気のあるスープです。それぞれのスープは素材の風味を活かしつつ、ユニークな味わいとモンゴルの食文化を反映しています。寒い季節には特に温まるための重要な料理として親しまれています。
また、そのうち、モンゴル料理のレポートもやりたいですね
海外ロケの苦労:二階堂ふみさんはヴィーガン
VIVANTではモンゴルでのロケが2か月半にも及びましたが、肉や乳製品を中心としたモンゴル料理で苦しんだ女優さんがいます。医師・柚木薫役の二階堂ふみさんです。
長期の撮影なので現地の食材を使っての食事も多いのですが、二階堂さんは動物愛護という観点から、肉や乳製品をとることを控えて菜食中心にするヴィーガンです。
肉や乳製品がNGだと、モンゴルロケではなかなか厳しいです
しかし、モンゴル料理は基本的に羊肉と乳製品がメインで、野菜料理があまりありません。そこで二階堂さんは食べるものに苦労していたとか。
トイレのシーンといい、二階堂さん、大変なロケでしたね!
まとめ
モンゴル料理は香辛料の使用を控えめにし、風味豊かなハーブやスパイスではなく、肉や乳製品の自然な味わいを引き立てることに焦点が当てられています。豊富な肉料理や乳製品のバリエーション、麦や大麦の活用、温かいスープ料理など、モンゴル料理の特徴は多様です。モンゴル料理はシンプルでありながら、豊かな味わいとユニークな食体験を提供しています。
まさか日曜劇場でモンゴル料理について、こんなに気になるとは…。
VIVANTは観てないけど勉強になるわぁ
アーコさんはドラマを観ずに、ここにいますもんね。ツワモノです
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