第4話。乃木・堺雅人宅。ちゃぶ台で阿部寛に抹茶をたて作戦会議。神ハッカー飯沼愛blue@walkerの奪回を目指す!シュールで違和感だらけの会議設定の意味は?テロ組織テントの工作員・迫田孝也、そして飯沼愛は何を知っている?
作戦会議と和室:意外な組み合わせのインパクト
戦略的な作戦を話し合う場所として、一般的には堅苦しい会議室やオフィスを思い浮かべることが多いかもしれません。しかし、ここでは乃木憂助(堺雅人さん)の自宅が作戦会議の場となります。
家で抹茶を点(た)てるなんて余裕よね…
あまりにも日本風。日本の伝統的な家屋、和室での作戦会議が描かれており、そのミスマッチ感が印象的です。
「もし太田さんがまだ生きているのなら」という緊迫した状況下なのに…です。
そうよね、これ、緊迫した会議なのよね…そんな感じがあまりしないのはなぜ?
救出作戦を話し合う場所が、一昔前の日本人にとって生活感を感じさせる日本家屋であることが、なんとも独特の空気のゆるさ、おだやかさを醸し出します。
木造で、室内も木材を中心にしたウッディな部屋。年期を感じさせる和室に、ちゃぶ台が置かれています。そこで救出しようとしているのが神ハッカー・ブルーウォーカー(blue@walker)だという、なんとミスマッチな状況でしょう。
ちゃぶ台とblue@walker…たしかに変な感じ…
事件捜査と日本の風物:シュールな組み合わせ
物語の中で描かれる「突入作戦」を確認するシーンは、そのふるまいや置物、そして背景に広がる風景と共に、非常にシュールな印象を与えます。
作戦の壮絶さと作成会議のアットホームさのギャップがシュールなんです。
抹茶もふしぎな空気感を出します。
日本の茶室文化には、そこにいる人を敬い、生命を大切にし、上下分け隔てなく、相手をうけとめ、清らかで動じない心で、その時間を大切にするという心得があります。だからこそ、余計にこのシーンの異質さが際立ちます。
抹茶の「儀式」
更に印象的なのは、この和室での抹茶の「儀式」です。
ちゃぶ台の上で、竹でできた茶筅(ちゃせん)で堺雅人が抹茶とお湯が入ったお茶碗に入れて泡立てることで、きめの細かい泡をつくり、抹茶の味をまろやかに感じさせます。この一連の作業は、緊迫した状況とのコントラストを強調しています。
落ち着いておいしくお茶を飲もうとしてる…
ちゃぶ台の上で抹茶を口に運びながら、事件解決のための作戦を確認する様子は異様な雰囲気です。
また、ちゃぶ台の上には山本の密航経路を説明するためのアジア地図も置かれており、緊張感とのコントラストが際立ちます。
でも、わたし、このシーン、ひとつ、大きな違和感があったわ
なんですか?
和菓子がないの。和菓子が食べたいな、って思っちゃった…絶対必要よ、和菓子は…
スーツと和の窓
さらに、堺雅人と阿部寛がスーツ姿であることも印象的です。2人が「臨戦態勢」であることを如実に示しているようです。
そりゃそうでしょ。2人とも寝間着姿だったらあやしすぎる…
…そう言えば、エフ(もう一人の堺雅人の人格)は阿部の「まなざし」「壁ドン」を気持ち悪いと疑ってましたよね。第2話です
特に堺雅人の青のネクタイと丸菱の社章バッジが、彼の所属と地位を象徴しています。背後に見える台所や庭側の窓など、和の要素と西洋のスーツとの組み合わせは、ノスタルジックでエキゾチックな雰囲気を醸し出しています。
窓がサッシではなく、日本の窓である、ということはけっこう重要な雰囲気づくりになっていると思います。
キッチンと庭の風景
台所には今風のシステムキッチンではなく、和の窓ガラス、瞬間湯沸かし器、木製の流し台に白いタイル、ガスレンジが置かれ、お神札も見えます。
庭側の窓からは、あざやかな緑、赤い花、石の灯篭?が見え、日本的な情緒を感じさせます。白いカーテンもその雰囲気に一役買っています。
ミスマッチ感の効果
このようなミスマッチ感は、読者にとって新鮮で興味深いものとなります。今のテレビドラマだと、やや古臭く感じるような日本の伝統的な場づくりと命がけの救出作戦というシリアスなテーマ性の融合は、物語の深みを一層引き出しています。
このシーンは、緊迫した事件捜査と、日本人の心なじむ景色との組み合わせによって、ノスタルジックでエキゾチックな感覚を生み出しています。
日本の伝統と現代の緊迫感が交錯するこのシーンは、読者にとって忘れがたい印象を残すでしょう。
第3話のサーバールーム侵入作戦会議のときの雰囲気と全然違うんですよね
阿部寛のやさしい表情に対する様々な考察も、このシーンの多層的な解釈を可能にしています。日本風の映像と事件捜査の組み合わせは、ミステリアスな情感を強調し、物語の世界を豊かにしています。
山本巧:丸菱商事の不可解なキャラクター
さて、このシュールな作戦会議で追い詰めようとしているのが山本巧(迫田孝也さん)です。
一見するとただのビジネスマンのように思えますが、その実態はかなり複雑で魅力的なキャラクターです。ネットでは、迫田孝也さんを疑う声がずっと絶えませんでしたが、たしかに疑うべき存在でした。視聴者にある意味、愛されているとも言えます。
演技が人間くさいというか、コモノっぽいのよね…
山本巧は、丸菱商事・エネルギー事業部1課課長という重要な立場にありながら、独特な役柄として描かれています。彼は、テント(あるテロ組織)のモニター(潜入工作員)として物語の中心に位置しています。
しかし、彼がこのような役柄となった背景には、いったいどのような秘密や意図が隠されているのでしょうか。
3週間のネパール旅行とバルカ共和国への密航
2019年3月、山本は日本を離れてネパールへ3週間の旅行に出かけます。この旅行自体は、多くのビジネスマンが行うような普通のものと思われるかもしれません。
しかし、彼がネパールからバルカ共和国へと密航するという行動は、一般的なビジネスマンの行動からはかけ離れています。
この密航ルート、公安部の阿部寛も、事前に調査をしていたにも関わらず思いつかないものでした。これは、山本が持っている独自のネットワークや情報源を示唆しているのかもしれません。
情報漏洩とサーバールーム侵入
物語が進む中で、阿部はどこからか情報が漏れていると感じます。情報が洩れているとしたら、いったいどこから…?
サーバールーム侵入に関与した4人の存在(堺雅人、阿部寛、濱田岳、そして迫田孝也=山本巧)が浮かび上がります。
山本がどのような情報を手に入れ、それをどのように利用しているのかが、第4話の大きなポイントのひとつです。
阿部さんの捜査、見入っちゃいますよね
主役級…というか、主役よね、野崎さんだけでドラマ、作れそう
山本巧の恐さ
太田梨歩の正体は神ハッカー・ブルーウォーカー(blue@walker)です。太田さんは「すべてを知っている」ので、太田さんの持つ情報、特にテントに関する情報が明らかになるのを恐れた山本は、捜査の手が及ぶ前に太田を別の場所に移すという手段に出ました。
太田さんも、山本さんもすごい人なのよね。2人ともあまりそうは見えないんだけど…
この行動は、太田が知っている事実の重要性を如実に示しています。堺雅人にとっては一刻も早く山本を捕まえ、太田を救い出す必要があります。
阿部寛は堺雅人を信頼している?
2人の作戦計画はこうです。山本に太田のとらわれている場所へ向かわせるための芝居を打ち、鉄壁の尾行体制で山本を追い詰める計画です。
「俺たちがそこを衝く」神妙な顔をして押し黙っている堺雅人を見つめる阿部寛の目、表情のやさしさが印象的です。
山本が動いたところを追い詰める計画は、おそらく阿部寛のこれまでの経験と堺雅人への信頼に基づいて構築されます。彼らの共闘は、太田の救出だけでなく、真実を暴くための重要な一歩でもあります。
やさしく堺雅人を見つめ、気遣っているように見えますよね
第4話を通じて、山本という人間のおそろしさと堺雅人と阿部寛の「信頼関係」が描かれています。
彼らの人間関係、作戦計画の細部、そして阿部寛のやさしい表情は、この複雑な事件の背後にある人間ドラマを感じさせます。今後の展開がどう進むのか、読者としては非常に楽しみなポイントです。
まとめ
そのふるまい、そして抹茶を口に運びながら太田の居場所に突入する作戦を確認するシーンのなんとシュールなことでしょう。
たたみ、ちゃぶ台、和の窓ガラス、瞬間湯沸かし器、木製の流し台に白いタイル、ガスレンジ、お神札、庭にはあざやかな緑、赤い花、石の灯篭、白いカーテン…。
VIVANTには必要以上に「海外を意識したような日本風」の映像が登場しますが、この日本人の心なじむ景色の中で事件の捜査が進んでいく独特の感覚がノスタルジーとエキゾチック、そしてミステリアスな情感を伝えます。
海外の方がこのドラマを観たときに一層、JAPANを感じさせ、物語の奥行が出る光景なのかもしれません。
そして、阿部寛のやさしい表情は皆さん、どうとらえましたか。ここも様々な考察ができますね。
柳林さん、何か疑ってるでしょ…こわっ
僕は何も知らないです…
なんか、こわっ…
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