オンポンプとオンビート心臓手術の違い？ブラックペアン医龍

やなぎばやし

こんにちは

「調べてかわら版」

柳林です

ドラマ「ブラックペアン」や
「医龍」で心臓手術中に
出てくる「オンポンプ」とか
「オンビート」っていう言葉が
気になりませんか？

この記事では、この２つの言葉に
ついて説明していきます。
より楽しく作品が楽しめるように
なると思いますよ。

この記事でわかること

オンポンプとは人工心肺（＝ポンプ）を使って（＝オンして）手術を行うこと。
オンビートとは心臓が自然に動き、拍動（＝ビート）がそのままある（＝オン）状態で手術を行うこと。
心臓手術を、心臓が動いた状態（オンビート）で行うのは最高難度。ドラマ「ブラックペアン」ではこの手術を「佐伯式」と呼び、世界でただ1人、”神の手”佐伯教授（内野聖陽）しかできない、とされている。しかし、実は外科医・渡海（二宮和也）もできることでストーリーはドラマチックに展開する。
現実には「佐伯式」という名称の心臓手術はない。しかし、オンビートで99.7％（世界一）の正確さで、この手術を行う外科医は存在する。ニューハート・ワタナベ国際病院の渡邊剛医師である。

オンポンプ手術とは
1. オンポンプとは人工心肺（＝ポンプ）を使って（＝オンして）手術を行うこと
2. オンポンプ手術の具体的な流れ
オンビート手術とは
1. オンビートとは心臓の拍動（＝ビート）がそのままある（＝オン）状態で手術を行うこと
2. オンビート手術の具体的な流れ
オンポンプ手術とオンビート手術の全体的比較
オンビート心臓手術ができる医師：渡邊剛（わたなべごう）
1. 2010年から2023年まで“The Best Doctors in Japan”に選出
まとめ
付録：ブラックペアン関連記事

オンポンプ手術とは

オンポンプとは人工心肺（＝ポンプ）を使って（＝オンして）手術を行うこと

オンポンプ手術とは、
患者の心臓と肺の機能を一時的に停め、
その間、人工心肺が血液を全身に
送り続ける状態で行う手術です。

こうすると、
心臓自体は動かない静止状態で、
外科医はより安定して精密な手術を
行うことが可能です。

止まっている心臓にメスを
入れる方が簡単だからです。

オンポンプ手術の具体的な流れ

全身麻酔を施した後、
患者の胸を開き、
心臓へアクセスします。

次に、人工心肺を接続し、
心臓の動きを停止させます。

心臓が停止している状態で
必要な手術を行います。
例えば、心臓弁の修理や
冠動脈バイパス移植などです。

手術が終了すると、心臓の機能を
復活させ、徐々に人工心肺から
患者自身の心臓と肺に
機能を移行させます。

オンビート手術とは

オンビートとは心臓の拍動（＝ビート）がそのままある（＝オン）状態で手術を行うこと

オンビート手術は、心臓が自然に
動いている状態で手術を行います。

心臓のリズムを保ちながら
手術が行われるため、手術後の
心臓機能への影響が少なく、
回復が早いとされます。

オンビート手術の具体的な流れ

全身麻酔後、胸を開いて
心臓へアクセスします。

心臓が自然に拍動している状態で
必要な手術を迅速に行います。

ただ、心臓が動いているので
心臓の拍動に合わせて
手元の対応ができる
高度な技量が求められます。

手術が完了した後、胸を閉じて
回復期間に入ります。

心肺バイパスを使用しないため
全体的な体への負担が少なく
患者の回復が早まります。

オンポンプ手術とオンビート手術の全体的比較

特徴	オンポンプ手術	オンビート手術
心臓の状態	停止している	自然に拍動している
使用する機械	人工心肺（心肺バイパスマシン）が必要	不要
手術の難易度	高い（心臓を停止させることによる精密作業）	高い（動いている心臓での精密作業）
回復の速さ	やや遅い	速い
メリット	・非常に精密な手術が可能・手術中のリスクが管理しやすい	・心臓への負担が少ない・全体的な回復が早い
デメリット	・全身への影響が大きい・手術後の回復が遅い	・極めて高い技術と経験が必要

オンビート心臓手術ができる医師：渡邊剛（わたなべごう）

2010年から2023年まで“The Best Doctors in Japan”に選出

実際にオンビートでの最高難度の
心臓手術を続けている医師がいます。

ニューハート・ワタナベ国際病院院長の
渡邊剛（わたなべごう）医師です。

驚くべきことに
渡邊剛（わたなべごう）医師は
2003年に、人工心肺を使わず、
心臓を動かしたままのバイパス手術
（心拍動下冠動脈バイパス手術=OPCAB）を
成功させています。つまり「佐伯式」です。

手術の成功率は
なんと世界一！
99.7％を誇ります。

2010年から2023年まで
“The Best Doctors in Japan”に
選出され続けています。