第2話~ラクダ転落はどんな事故になる?芸能人の事故は大けがに。映画アラビアのロレンスは無謀事例!ジャミーンの看病疲れで過酷な旅ができる?そもそも寝ながらラクダで移動するのは超危険、超危険!
アーコさんはラクダから落ちたこと、ありますか?
ないわよ。ふつう、ないでしょ
そうなんです。なので、今回はラクダでの移動や事故について調べてみました
TBS日曜劇場VIVANT第2話のエンディングで、二階堂ふみさん(世界医療機構の医師・柚木 薫)がラクダから落下したのではないかと言うような場面がありました。
その衝撃のシーンを振り返りながら、「死神に会えるかも」という過酷な砂漠の旅をする際の注意点、恐怖、さらに実際にラクダから落ちたらどうなるのかということについて今回は考えていきたいと思います。
砂漠を移動する際の注意点
まず、砂漠を移動する際の注意点から見てみましょう。これは本当に過酷な状況です。
昼間と夜の寒暖差
砂漠といえば、まずイメージするのが猛暑です。昼間の気温は日なたでは40度以上になることもあります。一方で夜になると、砂漠は乾燥して水蒸気も少ないために夜間の放射冷却が激しく起こります。そのため、夜は氷点下になることもあり、冷えこみます。1日の寒暖差は20度以上になることもあります。こういう状況はおそろしく体力を奪います。
水分や食料の確保
さらに注意点はいくつもあります。例えば、十分な水分や食料の確保が必要です。砂漠は極めて乾燥しており、水源はほとんどありません。
1日に最低でも2リットル以上の水を必要としますが、暑さや身体活動で本当はもっと必要です。また、エネルギーの補給として十分な食料も必要です。VIVANT第2話では食事シーンがありますが、ほんの一口で十分な確保ができているようには見えませんでした。
ただ、ここには深刻な事情があります。水や食料は人間の分だけではなく、ラクダの分まで確保しなければなりませんが、それらをたくさん携行すると、ラクダの数を増やさなければ運べません。
VIVANTでもドラムが物品運搬用のラクダを引いていましたが、限界があるのは見て取れます。そのため、実際にはかなり厳しい状況で移動することになります。
砂嵐とその対策
また砂漠では、砂嵐が発生することがあります。
砂嵐に遭遇すると、風で巻き上がった砂が人間の目や鼻、呼吸器に深刻なダメージを与えます。そのため、嵐を避けて砂を吸い込まないようにする必要があります。
実際にVIVANTの中でも、布をかぶって砂嵐から身を守るシーンが見られます。嵐が去った後に、ドラムが砂で埋もれてしまった仲間を掘り出していました。
ナビゲーションとメンテナンス
さらにナビゲーションが大切です。
砂漠の地形は、風や天候によって頻繁に変化しますので、ナビゲーションツールや知識が必要になります。そしてそのナビゲーションツールが本当に砂漠の過酷な環境の中でずっと機能するのかという問題もあります。
もし故障してしまったら…。手立てはないかもしれません。
ラクダの扱いとその他のリスク
またラクダを扱うということにも基本的な知識と経験が必要です。ラクダは本来おとなしい動物ですが、過酷な状況でストレスを抱えることもあります。実際にラクダが暴れたり、時には噛み付いたりすることもありますので、注意が必要です。
また乗り方にもよりますが、股間が痛くなったり、尻の皮がむけたりします。
さらに過酷な状況の中では、サソリやへびなど、危険な生物にも気を付ける必要があります。
落石のリスクもあります。実際にVIVANTでも落石を恐れて、移動し続けるシーンがありました。
ラクダに乗って移動するとは
次に「ラクダに乗って移動する」というのはどういうことなのか調べてみました。
ラクダの種類と地上からの高さ
乗るのは、2つこぶがあるフタコブラクダです。VIVANTでも全員フタコブラクダに乗っていました。
ラクダの高さ(肩高)は種類にもよりますが、一般的には約1.8メートルから2.2メートル程度です。しかし、乗るときの鞍馬の位置はもう少し高いので、実際にはラクダから見下ろす高さは約2.5から3メートル程度になることも多いです。
落下の危険性
3メートルにもなる、その高さから落下すれば重大な怪我を引き起こすおそれがあります。
朦朧とした状態でラクダに乗っていて、その状態で落ちると頭から落ちる可能性も高いため、かなり危険です。ラクダはゆっくりと均等なペースで歩く動物なので、ある程度の安定感はありますが、それでもVIVANTのドラマの中のように眠りながらラクダに乗ることは極めて危険です。
睡眠中の落下リスク
寝てしまうと筋肉から力が抜け、バランスを維持することが難しくなります。
その結果、睡眠中にラクダから落下するリスクが高まります。また、ラクダが急な動きをした場合に反応できません。ラクダが何かに驚いたり、突然動き出したとき、それに対応できずに落ちて怪我をする恐れがあります。さらに、睡眠中に周囲の状況を把握できず、何が起こるか分からないリスクがあります。例えば、有害な生物に遭遇したり、砂嵐などに対応できなかったりすることもあります。
「ここからしばらく一本道ね。ラクダは迷わないよ。ラクダには悪いけど寝ながら行こう。」というドラム(富栄ドラム/声:林原めぐみ)からの指示がありますが、これ、本当は「超危険、超危険」(同)です。でも、寝る猶予もない過酷な状況だということは伝わりますね。
二階堂ふみさんの特殊な状況とリスク
VIVANT第2話エンディングシーンで、本来、乗っているはずのラクダに、二階堂ふみさん(医師・柚木 薫)が乗っていない、という衝撃の場面が映し出されます。
二階堂ふみさんがラクダから消えた衝撃の場面について、ラクダから落ちたのか、あるいは二階堂ふみさんが自分で逃亡したのか、または何か別の事情があったのか、第2話の時点ではまだ分かりません。
疑ってかかれば、二階堂さんのこれまでの言動や行動は、あやしいと言えばあやしいんです。ある意味、安全に逃亡できるはずだった阿部寛さん(野崎)の綿密な計画を打ち崩し、ある意味、こんなに危険な砂漠の旅を選ばざるを得ない状況にしてしまったのですから。
しかし、落下事故だとすると、それはそれで非常に衝撃的なシーンだと言えるでしょう。
二階堂さんはジャミーン(Nandin-Erdene Khongorzul)を看病して夜ほとんど寝ていなかったようです。そのことを堺雅人も心配していました。(そういう堺さんも二階堂さんを心配してあまり寝ていない状況です)そんな体力が低下した状態で過酷な砂漠に突入してラクダの上で寝てしまうことは、相当な危険があると予想されます。
転落事故:平成ノブシコブシ骨折
実際に日本の芸能人で、ラクダから落ちて大けがをした人がいます。平成ノブシコブシの徳井健太さんがその一人です。
2012年1月6日に、フジテレビのバラエティー番組の撮影でラクダに乗りました。収録地はインドのピカメールで、現地のラクダレースに参加するためにラクダに乗る練習をしていた際、徳井さんはラクダから転落してしまったのです。
落下した時、徳井さんは左脇腹を強打しました。緊急帰国しての診断の結果、左外傷性気胸、左多発性肋骨(ろっこつ)骨折で全治3週間と診断されました。
映画アラビアのロレンス
ラクダからの落ちた有名な映画エピソードと言えば「アラビアのロレンス」があります。1962年公開、デヴィッド・リーン監督による名作です。
延々と続く砂漠を進む一団から、ある男が行方不明になります。ロレンスが彼を心配して戻って助けに行くと主張するのですが、周りの人々はそれを止めます。「死にに行くようなものだ」と言います。それでもロレンスは無謀にも、1人で彼を助けるために戻るシーンが描かれています。
結果的に、ロレンスは行方不明の男を見つけて戻ってきました。その行動が賞賛されるのですが、その無謀さと危険性を私たちは忘れてはいけません。だからこそ、名場面になったのです。
まとめ
VIVANTドラマの中で、ラクダの背から姿を消した二階堂ふみさん。
ラクダから落ちたのか、それとも何かを企んで逃げたのか、自ら離れたのか、まだ分からない状況ですが、第3話以降の展開を楽しみにしましょう。
ドラマを見るということは現実の世界から一旦離れて、様々な想像の世界に引き込まれるという楽しみがあります。そういった楽しみこそが、ドラマのひとつの大きな魅力だと思います。
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